藤沢市労働会館のモダニズムっぷりはヤバい | 建築マニアクス

藤沢市労働会館のモダニズムっぷりはヤバい


ぽむ吉マニアックス-藤沢市労働会館1


何も知らずに偶然にこの建物の前を通りかかったのですが、僕のモダニズム建築アンテナが反応しました。これはかなりやばいのではないかと。まずこの地上階部分の軽やかさですよね、なんとなく菊竹清訓のスカイハウスを思い出しました。これはいい物件だ。


この建物、「藤沢市労働会館」(鉄筋コンクリート造一部鉄骨 地上4階、地下1階) といって、1976年に福利厚生施設に恵まれない中小企業労働者や各種団体の余暇・サークル活動・研修の場として、また地域住民の憩いの場を併せ持つ施設として開館したそうです。時代がかった名前ですね。とても素敵です。


設計は「群建築研究所」という設計事務所でした。神奈川を中心に活躍されていた建築事務所のようで、この藤沢市労働会館は1976年の神奈川県下建築コンクール最優秀賞を受賞しています。由緒ある建築なのですね。ネットで探してもあまり出てこないので、この藤沢市労働会館も群建築研究所も評価はこれからなのかもしれないですね。


群研究所(群建築研究所から改名?)のホームページ に、藤沢市労働会館に関する記述があったので転載します。(転載不可の場合はその旨ご連絡頂ければ削除致します)


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藤沢市労働会館の場合には、見晴しの良い小高い崖上の、かつての豪勢な住宅敷地の地形が利用された。主要な施設、ロビーやホール・食堂は地下に収められ、敷地の地上階は周辺の住民が自由に通り抜け、憩える広場として計画された。見晴しを遮らないよう高層棟の地上階はピロティ、ロビーやホール・食堂などのトップライトが広場の修景を形成している。良好な住宅地に規模の大きな施設を計画する場合、周辺の環境を損なうことなく、むしろそれを補強する手法が今後必要とされている。全体は蔦に覆われた城跡のイメージ、鉄部も錆仕上げである。

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確かに城跡っぽいなと思っていたら、そのイメージで作られていたんですね。また、周囲の環境に馴染むように作られたということですが、1976年当時にすでにこのような意識を持たれている建築家の方がいらっしゃったんですね。


以下写真です。

ぽむ吉マニアックス-藤沢市労働会館2

うーん、確かにお城っぽい。ちなみにこれが入口です。



ぽむ吉マニアックス-藤沢市労働会館7

当日は休館日でしたが、中に入れました。内部もモダニズム全開です。レストランもあるようなので、ぜひ今度は開館日に行ってみたいですね。




ぽむ吉マニアックス-藤沢市労働会館4


建物の裏側からです。かなり傾斜のある土地に建てられているのですが、この写真からそれがわかりますよね。

また、上記でリンクした群研究所のホームページを見ると、地上階部分に当時は囲いがあったようですね。


ぽむ吉マニアックス-藤沢市労働会館6

一枚上の写真の窓を覗き込んでみたのですが、なんと大ホールでした。219席あるそうです。左のパイプはいったい何なのでしょうね。ロシア構成主義に通ずるマッシブさを感じてしまいます。(たぶん違う)


平日は商業目的でなければ、市外の人でも全日39,150円で利用できるそうです。借りてみようかな(うそ)



ということであまりにうれしかったので久しぶりにブログの記事をアップしてしまいました。こんな素敵なモダニズム建築が注目されていないなんて、ちょっと意外でした。一応ドコモモジャパンの会員だし、提案してみようかな。