建築マニアクス -4ページ目

鎮守の森は鉄筋コンクリート

ぽむ吉マニアックス-神社

神社は全くと言っていいほど詳しくはないんですが、
規模の大きい神社はだいたい参道があって、鳥居をくぐり、手水で手を清めて、お参りをする。
後ろには鎮守の森が広がっている。みたいな感じで、足を進めるうちに自然とありがたくなるような
空間が構成されていると思うんです。
神々を感じられるというか、畏れ多い気持ちになるというか。

翻ってこの神社なんですけど、うしろがマンションなんですよね。
なんだか見下ろされているみたいでありがたみに欠けてしまいます。

流線形シンドローム ~ 疾走するイメージと危険思想

流線形シンドローム 速度と身体の大衆文化誌/原 克
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流線形が大好きなんです。

最新の乗り物ではなくて、ちょっとレトロな感じのする流線形が特に好きです。
こんなの とかこんなの とかさらにこんなの とか。

とくに最後のリンクは満鉄の「あじあ号」なんですが、客車まで徹底的に流線形なので
カッコイイですね。侵略の是非はちょっと別にして。

大東亜共和圏の実現させるためには日本の優れた技術で亜細亜を導いていく必要がある。
「あじあ号」はそういうイデオロギーを体現しているんですよね。
流線形は単純に空気抵抗の低減に留まらず、理念を形にするために利用された歴史があるんです。

そんな流線形の歴史を丹念に追っているのがこの本です。
最初は古い流線形の写真がいっぱい載っていて面白そうだな。と思って買ったんですが、
内容も面白かったです。

流線形が出始めた頃は単純に「空気抵抗の低減」だったわけですが、
そのイメージが拡散していくんですね。つまり「○○抵抗の低減」→「障害因子の削除」というように。

例えば「流線形建築」とかがあるんですけど、なんで建物なのに流線形?って思うんですが、
従来の職人が作る無駄のあった建築方法から、建築方法のシステム化や近代化によって
建てられたことにより「流線形建築」と呼んだわけです。
「無駄な建築方法の排除」=「流線形」という図式ですね。

あと苦笑してしまったのが「心の流線形」です。
1930年代に出版された啓蒙書なのですが、その本には「多く人は本来備わっている能力を活用しそこなっており、無駄が多いといえます。そのためには効率的な思考方法が必要です。今からでも決して遅くはありません」
というようなことが書いてあり、何のことはない、現代のビジネス書となんら変わりません。
1930年代のサラリーマンも、現代のサラリーマンも悩みは大して変わらないって事ですね。

そしてこの本のクライマックスとなるのが「流線形」と「優生学」の関わりです。
1930年代のアメリカの美人コンテストの審査の中で、理想の体型のシルエットをくぐり抜けるという
今考えるとギャグなんじゃないか?みたいなことが行われたそうなんですが、
これに著者は理想の体型に当てはまらないものを排除するイメージを持つに至った
流線型との関わりを見つけます。
(他にも流線形ポテトとか、流線形サボテンとか、笑うに笑えない例が紹介されています)

流線形のイメージが不幸にも抱え込んでしまった優生学的発想を丁寧に追っている本で、
面白かったです。

あとこの本には書かれていないことなのですが、流線形が持つ魅力そのものが支持されるようになって、
商品のデザインのサイクルが短くなり、アメリカの製造業に大きな影響を与えたそうです。
流線形は大量消費社会のサイクルを推し進めた側面もあるのですね。

また、余談ですがちょっと前にブームになったiPhoneも流線形でその理由を説明できると思います。
「ボタンがなく、直感的に操作できそう」=「複雑な操作という障害因子の排除」という図式です。

「流線形」という息の長いブームはまだまだ続きそうですね。


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飛鳥Ⅱ

ぽむ吉マニアックス-飛鳥Ⅱ

昨日は天気がよかったので久しぶりに大桟橋に行ってみました。

例によって写真を撮ったのですが、一番下の変わった形の船。シーバスって言います。
確か小学校の時に乗ったことがあります。結構揺れるんです。
山下公園からそごうのある東口を結んでいます。

で、左側に小さく見える船。多分マリーンルージュです。
これも乗ったことがあります。ランチクルーズで。
食事は・・・ですけど、景色がとてもいいです。確か90分くらいだったと思います。

そして正面のでかい船。飛鳥Ⅱです。
もちろん乗ったことはないし、今後乗る予定もありません。

ちなみに年末年始のグアム・サイパンクルーズから帰ってきたところです。
(ってとなりのおじさん2人が話していたのを盗み聞きました)

ネットで調べたら旅行代金が486,000円~1,890,000円だそうで、お金持っている人は持っているんですね・・・

あとはじめて知ったんですけど、大桟橋に大型船が入稿するときに、スピーカーから横浜市歌が流れるんです。
横浜出身の人以外は知らないと思いますけど、横浜市歌って横浜市立の小学校の音楽の授業で
必ず歌うんです。「わ~がひのもとはし~まぐによ~~」って。
古めかしい歌なんですが、作詞が森鴎外って初めて知りました。

話が収集つかなくなりましたが、飛鳥Ⅱが近づいてきたときに船で流している歌(?)が聞こえてきたんですが、
それが「黄色いサクランボ」だったんです。なぜ・・・??

来年も宜しくお願いします。

ぽむ吉マニアックス-新宿の目

今年最後の更新です。

なんだかこのブログの写真は不気味なものが多いような気がしますが、
これは新宿西口にある「新宿の目」です。向かって右端に涙があるんですよね。
実際は模様がうにょうにょ動いていて、結構綺麗です。1970年に設置されたそうです。

今年の更新数は月イチペースでした。来年もそのくらいかなあと。
そのかわり、面白いエントリーをしていきたいと思います。

忘れた頃に更新されると思いますので、RSSに登録していただけると幸いです。
ちなみに僕はこのRSSを使っています。英語がよくわかんないですけど、使いやすいです。
http://www.bloglines.com/myblogs

では激動の世の中ですが、皆様にとって来年がよい年でありますように。

丸ビルのクリスマスツリー

ぽむ吉マニアックス-クリスマスツリー

まったく季節感のないブログなので、たまには今の季節に合った写真でも。
どんな写真でも物悲しくしちゃうんですけどね(笑)

Highway nightmare in Tokyo

ぽむ吉マニアックス-highway

高速道路って暴力的だと思うんです。
下から見上げると特に。太い柱、遮られる空、排気ガスで澱む空気。

と同時に、工業化時代の新しい神って表現も当てはまる気がしないでもないんですよね。

まあ興味深いモチーフではあるかなあと。

放置されている近代建築のレリーフ

ぽむ吉マニアックス-レリーフ

これを見つけたときはぎょっとしました。
なんだろうこれ、古そうだけど・・・

ちょっと落ち着いてから観察しました。どうやら近代建築のレリーフのようです。
取り壊し時にはレリーフを保存しようとし、そのまま放置したのでしょうか?

推測ですが、おそらく帝蚕倉庫のレリーフだと思います。
名前の通り生糸を保存する為に建設された倉庫で、数棟あったのですが1棟を残して解体されました。

レリーフなのに中央に何もないのが変ですが、どうやら当初は蚕をモチーフとした装飾があったようです。
何かの理由で削られてしまったんですね。
とすると、横にある葉は、蚕が食べる桑の葉でしょうか?
また、リボンはきっとこの生糸で作るリボンなのでしょうね。

こうしている間にも次第に風化していっているはずです。
貴重なものだと思うので、なんとかしてほしいですね。

近代建築でディナーを ~ 北欧料理 スカンディヤ

ぽむ吉マニアックス-スカンディヤ1

ちょっとした記念日だったので北欧料理のスカンディヤに行ってきました。
1963年から続いている歴史のあるレストランです。

スカンディヤが入っている横浜貿易会館は昭和4年に作られた港ヨコハマを感じさせてくれるビルなんです。
店内(2F)は落ち着いた雰囲気で、壁には木彫りの彫刻が隙間なく飾られ、シャンデリアもそれぞれ
ちょっとずつ異なっています。テーブルのろうそくのランプもいいですね。


過去2回行ったことがあるのですが、毎回看板料理であるスモーガスボードを頼むことにしています。


ぽむ吉マニアックス-スカンディヤ2

まずは前菜(2人分)です。

真ん中にあるのがキャビアですね。かなりのボリュームです。
写真にはないですが、パンにのせて頂きます。

写真手前のにしんの酢漬けがおいしいかったです。あと生牡蠣も。
北欧料理なので燻製のお魚が多いですね。



ぽむ吉マニアックス-スカンディヤ3

こちらがメイン料理ですね。
牛ヒレ肉がとてもやわらかくておいしい。
あと写真左手前は牛生肉です。洋風ユッケって感じですね。にんにくが利いています。
あとウナギのソテーもあるのですが、こちらもなかなか。

写真をご覧になっておわかりかと思いますが、2人分でこのボリュームですから、
この時点でかなりお腹も満足です。



ぽむ吉マニアックス-スカンディヤ4

さらにメイン料理のあとチーズ2種が出てきます。
かなりお腹いっぱいですが、もちろん完食です。

このあとデザート(バニラアイス)と食後のコーヒー(紅茶)が出てきます。
全部おいしいですし、店内の落ち着いた雰囲気もいいですしかなり満足です。

これで6000円ですからお得だと思います。
ワインをボトルで頼んでも1人1万円以内で納まりますし。



ぽむ吉マニアックス-スカンディヤ5

窓際の席に座れればこんな景色も楽しみながらお食事を頂けます。

写真にはぎりぎり映っていないですが、右側には開港広場があります。
日米和親条約が結ばれた場所だそうで、ペリーがここに来たって事ですね。

また、この開港広場はドラマのロケでもよく使われます。
フジでやっていた「SP」の中で出ていた駅前公園はこの公園です。全然駅前じゃないですけどね(笑)
スカンディヤもちらっと映った気もします。

近代建築か北欧料理に興味がある人は是非どうぞ☆

海岸通団地にて

海岸通団地の写真です。一部の棟ではすでに住民の退去が完了しています。

海岸通団地5


海岸通団地1


海岸通団地4


海岸通団地3


海岸通団地6


海岸通団地2


古い団地を見るとついついカメラを向けてしまいます。

目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)

目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)1

最近村野藤吾がとても好きなので、目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)を見に行ってきました。
1966年に建てられたビルで、本でこの階段の写真を見てから、是非行ってみたいと思っていました。

この曲線がたまらなくカッコよかったです。行ってよかった。
モダニズム建築はプロポーションがカッコイイので、個人的には壁とかに絵画とかあまりいらないかなーと
思ったりするんですが、そんなことは関係ないくらいすばらしいです。



他の写真もいくつか・・・

目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)2

正面のエントランス部分です。
結婚式でも出来るんじゃないかというくらい静謐な空間です。
年配の方がお花を生けていました。




目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)5

この写真は屋上のものです。
庭園になっているので上がることが出来ます。目黒十五(とうご)園というそうです。
屋上緑化されています。



目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)4

上の写真同じく。屋上庭園です。外壁の白い格子(?)の部分が素敵です。



目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)3

全体的な外観はこんなカンジ。(あまりいい写真が取れなかったので小さめで)


とにかく正面エントランスから階段までの空間が圧巻です。
目黒区の方がうらやましいですねー。

場所はコチラ。例によってストリートビューです。
http://maps.google.co.jp/maps?f=q&hl=ja&geocode=&q=%E7%9B%AE%E9%BB%92%E5%8C%BA%E5%BD%B9%E6%89%80&sll=36.5626,136.362305&sspn=33.99927,56.601562&ie=UTF8&ll=35.641252,139.699123&spn=0.001057,0.001727&t=h&z=19&layer=c&cbll=35.640722,139.699023&panoid=bO51meWgfk0gX6NpTz9ltg&cbp=1,318.77890986347484,,0,-9.261325023537248